2015年4月15日水曜日

鉛筆削りの直し方−たった8円で鉛筆削りが直る

今日は、鉛筆削りを自分で直すことができたので記しておきたい。

朝のページを書いている時、今日は鉛筆で書きたいとふと思った。鉛筆を出してきて、いざ書こうとすると、やっぱりとがらせてから書くのが、儀式っぽくていい。鉛筆削りを出してくる。私の鉛筆削りは、手回し式のゴロピカドン。小学生になるころ買ってもらったものだ。高校に入ってくらいから使うことがなくなり、ずっと放ってあって、捨てられてもおかしくないほど存在感が薄れていた。目に入って「処分しようかな」と手に取ると、見た目以上にずっしり重くて、おや、と思う。特別のお気に入りだったなあ、などと思う。そんなことを繰り返して、なんとなく残っていたものだ。

鉛筆を常用する職場に勤めたとき、その軽さや指にやさしい当たり方にまた鉛筆に愛着がわいた。普段から常用しようと思い、いざ鉛筆を削ろうとすると、少ししか削れない。削れる音も鈍いというか、軽い。鉛筆がくるくると回って、削れていないのだった。鉛筆を回らないように固定するゴムが劣化していた。買い替えようかなと考えたが、いまの市場にこれほどにしっかりとしたものはあまりないように思えた。木の部分がとてもなめらかに削れ、余分にトントンにもならず、絶妙だ。職場の電動のものはちょっとだけ浅いし、手回しのほうはすぐあっちこっちへ動くのと、少しだけトントンになりすぎる。ゴロピカドンのは良い刃が使われていると感じた。指で鉛筆を押さえていれば削れるので、そのときはそのままにしていた。あれから数年が経っていた。

先日も断捨離しているとき、もうこれはいいかな、と鉛筆削りを眺めながら思った。修理しようかと思ったけど、支える側のツメに気づけず、これは簡単には外れない。直すようには作られていない、と判断した。その日は、いま思うと元気がなかったのだろう。捨てる元気すらなくてよかった。やっぱりあの重さがポイントだ。

朝のページを中断して、洗濯をした。洗濯ネットが破れかけていたが、今日はハデに破れている。出し入れするたび、なんだか荒んだ気持ちになっていたけど、今日は入れる気にもならない。家族はこれを直す余裕もないと思っていたりするのかな。直るとも思わないのかも。放置、悲しいな。こうなるまで放って置いたのは私も同じか。私はミシンのところまで行って、待ち針も打たずに縫い合わせた。簡単だった。あっというまに直った。これからもよろしく。

ひとつ問題を解決して部屋へ戻り、清々しい気分でくるくる回る鉛筆削りで削って、さあ書くぞの儀式をしてからモリモリと書いていると、製造番号が目に入った。NO.7000-GO。ななせんばんタイプの、GOろぴかどんってとこか。80年代のにおい。かわいい。©1982, 1984 SANRIO CO. LTD. サンリオが作ったのではなくて、企画サンリオ、か。MADE IN JAPAN。作った会社は『COLLEEN』。

そうだ、部品取り寄せられるかな?と思い調べると、COLLEENはコーリン、と読むことが分かった。懐かしいな。なんとなく覚えがある鉛筆メーカー、コーリン鉛筆株式会社。1997年に倒産し、2007年にタイに残った現地法人から輸入する形で復活したようだ。倒産か、それなら部品を取り寄せるより、簡単な直し方があるかもしれない。よく見れば、簡単に外せそうだ。ゴムさえ手に入れば。どんなゴムにしよう。

前置きが長くなったが、鉛筆削りは簡単に直せた。用意するものは、リーチが2cmほどあるドライバーと、ペンチ。私はマイナスドライバー1本と、ペンチでできた。それから、鉛筆をかんでいてくれる新しいゴム。鉛筆をかんでくれているゴムのついた部品を持ってホームセンターへ行き、ゴムチューブの売り場へ。穴の大きさは9mmくらいがいいかなと思ったけれど、なかったので10mmで手を打つことにした。黒い耐油性ゴムチューブは売っておらず、ちょうど自分がイメージしていたシリコン製のチューブが手に入ってよしとした。10cmから買うことができて、税込み48円。

まず、鉛筆削りのハンドルの両脇にある穴をのぞくと、ねじがある。それをドライバーで外す。すると鉛筆をかむ側と、削る側が別れる。バネが1本ずつ仕込まれていた。カシャーン!と勢いよく巻きもどるのは、この子らの働きだったのか。

鉛筆をかむ側の内側の4隅に、ツメがあるのがわかる。それをマイナスドライバーで浮かせて、外す。反対側から鉛筆をかんでくれる部品が3つ、ぽろぽろと落ちてきた。乳白色のプラスチック製だった。

シリコンチューブを5mmほどの厚さでカットする。鉛筆をかんでくれる部品に付けかえて、再びセット。セットする方向が分からなくなるかもしれないが、私の鉛筆削りの場合は、このプラスチックの部品のゴムを付ける方の反対側に丸い突起があり、それを収めるスペースが鉄板側にあったので、わかった。

ふたをして、ツメを元に戻す。このときペンチをつかった。ペンチで傷つけぬように、鉛筆を入れる側に当て布をするとよい。

さっきのバネを取っ手の側から差し込んでから、鉛筆をかんでくれるほうのパーツを差し込む。ねじで止めて、完成!

シリコンゴムの内径もピッタリ。使ったゴムは約1.5cm。7.2円分。48円で鉛筆削りが直った。鉛筆削りは何ごともなかったかのように、トントンに削ってくれる。すごくうれしい。また私の仲間がひとつよみがえった。本当は何もかもが、私の味方なのだ。

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